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2014年10月27日
ピロリ菌の除菌について
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因の一つとして、ヘリコバクター・ピロリ菌がクローズアップされています。
ピロリ菌を除菌すると、潰瘍再発の防止には大変有効です。
何度も胃潰瘍をくり返す人でヘリコバクター・ピロリ菌がたくさんいる人は、一度除菌をしてみることをおすすめ致します。
ピロリ菌の治療法
治療法は簡単です。
迅速ウレアーゼテストと組織診断ギムザ染色をして多数の菌がいることがわかった人には一週間抗生物質を飲んでいただきます。
検査料も薬代も健康保険が使えます。
たった一週間の内服だけでかなり再発が防止されます。
ただし、ヘリコバクター・ピロリ菌がいるからだけで潰瘍もリンパ腫もない人には、除菌の効果がありません。
治療についての正しい判断をいたしますので、まずはお気軽にご来院ください。
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胸やけの原因
胸やけの原因は、胃の手術を受けている人は別として、多くの人は胃酸が食道に逆流して来ることによって起こります。
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍をお持ちの方
- 一般に若い人で多いものは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍をお持ちの方で、たいてい強い胃酸過多があります。
- このような人は食後2〜3時間経ち、食物がある程度胃からはけてしまった後にも胃液が出てきます。 だから食後大体2〜3時間してから胸やけがしてきます。
- また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の持病をお持ちの方は、潰瘍が治っている時期にも胃酸過多の素質が変わる訳ではありませんので、時々胸やけがします。しかし胸やけが酷くなってくると、潰瘍が再発しかかった時と一致することが多いですので、まだ痛みがなくても診察に来られた方がいいでしょう。
- 胃酸過多の傾向の方
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍まではなくとも、胃酸過多の傾向の人は胸やけがします。
- 胸やけのする人は簡単に胸やけの治療だけで済む人と胃潰瘍や十二指腸潰瘍があってその治療までしなくてはならない人とがありますので、胃の検査をしてみる必要があります。
胸やけの治療法
単純な胸やけであれば、胃薬など色々な薬をうまく組み合わせて使えば良くなりますので、ご相談ください。
外出や旅先で薬の持ち合わせがない時は、牛乳を少量ずつゆっくり飲むと止まります。
また、胸やけのしやすい食品は避けて食べないようにしましょう。
さつまいも・生菓子・コーヒー・脂っこいもの・からし類など・塩のよくきいた魚の乾物
など
食道裂孔滑脱ヘルニア
お年寄りの方、特に腰の曲がった方、または若い頃はスリムであったのに、中年を過ぎ非常にお腹が出てきた方などに大変頑固な胸やけを訴える人が多数来ます。
このような人は、食道から胃に入る入り口が常に開いており、更に酷い人はここから胃が胸腔(きょうくう)の方に脱出しています。
このようなものを食道裂孔滑脱ヘルニアといい、寝たり起きたり前屈したりすると、胃の内容物が自由に食道に上がったり下がったりします。強い胃酸過多はなくとも胸やけが酷く、更に酷い人は食道に線状のびらんや潰瘍ができているのがみられます。
食道裂孔滑脱ヘルニアの治療法
食道裂孔滑脱ヘルニアは、加齢とともに酷くなっていきますので、気長に薬を服用していただきます。
内服薬としては、胃内容物の消化を早める薬と、酸の分泌を少なくする薬、食道の粘膜だけをシビレさせる薬などを数種類組み合わせて差し上げています。
つらく不愉快な胸やけにお困りの方は、ぜひ早期に治しましょう。
お気軽に当院までご相談ください。
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脂肪肝とは
肝臓の中に脂肪が過剰に蓄積した状態で、食生活が欧米化し、飽食状態の日本で急速に増加している病気です。
成人病検診してみると、おおむね成人の3割に脂肪肝が見られたとさえ言われています。
脂肪肝の主な原因
かつてはアルコールの過飲によるものが大多数であるとされてきましたが、最近では酒をあまり飲まないのに起こる非アルコール性脂肪肝が非常に増加しています。特に糖尿病や肥満、高脂血症の方に多く見られることが特徴です。
脂肪肝の症状
一般には無症状のことが多く、人間ドックや成人病検診で腹部の超音波検査を受けて発見されることが多いのですが、脂肪肝が進んでくると右側腹部の重苦しいような痛みを訴え、特にアルコール性の脂肪肝は肝の腫大をよく触知するようになります。いわゆる肝臓が腫れたと言われるものです。
脂肪肝を発見するために
血液を調べる肝機能検査では脂肪肝の軽いうちは異常がなく、正常値を示すことが多いですが、酷くなりますと中性脂肪(トリグリセライド)や総コレステロールが高値となり、TTTやコリンエステラーゼが高値などが見られるようになります。またγ-GTPやGOT、GPTも上昇しますが100前後という方が多いようです。
診断には超音波診断が最もよく、更に脂肪の分布状態を見たり、肝臓の大きさを見たりするにはCT検査が大変有効です。特に脂肪の沈着が不均一な、いわゆるまだら脂肪肝の時は肝癌との区別が大変重要であります。
脂肪肝の予防
脂肪肝はひどくなると肝細胞の壊死と線維化が進んで肝硬変になることが確認されています。
脂肪肝になると治療は大変難しく、確実で有効な方法はありませんので、中性脂肪を増やさないように予防しましょう。
● 飲酒を少なく、飲み過ぎないように
● 肥満にならないように
● 適度な運動
脂肪肝の検査はお気軽に当院までどうぞ。
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胆石とは
肝臓や胆嚢(たんのう)、胆管にできる結石(石)です。
結石がどこにあるかによって名称が異なり、それぞれ症状も違います。
肝臓では消化液である胆汁が作られます。この胆汁が何らかの原因で固まると胆石になります。
胆汁と胆石
肝臓でできた胆汁は、胆管という管を通って肝臓の外にでて十二指腸に流れ込みます。
胆汁は、一時的に胆嚢(胆のう)に貯蔵されます。
胆石が最もできやすい場所である胆のうは、握りこぶしぐらいの大きさのナスのような形の袋で、胆管から枝分かれをして存在し、一部は肝臓にくっついて固定されています。
胆のうは、一時的に胆汁を貯蔵している間に胆汁内の水分や電解質を吸収し、濃い胆汁を作ります。
また、油脂の多い食事をしたり、生卵を食べると、胆のうが十二指腸に胆汁を送り出して、油脂の分解を助けます。
胆石と症状
胆のう結石(胆石)があるからといって、必ずしも症状があるわけではありません。胆のう結石をもっている人の23%は無症状といわれています
胆石の痛みは決まったところだけが痛むのではなく、人によっていろいろな場所に痛みの症状がでます。
【例】右の肋骨の下あたり・みぞおち・おへその上のほう・右の肩甲骨の下の方・腰のあたり…など
痛みの種類も一様ではありません。また、発熱や眼球結膜(白眼)、皮膚が黄色くなるなどの症状が出ることもあります。
【例】鋭く差し込むような痛み・鈍い重苦しい痛み・肩こりのように張った感じ…など
おなかが痛んだり、発熱があったりなど症状のある胆石は治療・手術をおすすめします。
特に痛みの症状が出てきた場合は、早めの治療・手術をおすすめします。
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鼠径ヘルニア(脱腸)とは
鼠径ヘルニアとは、一般に脱腸と呼ばれる良性の病気です。
鼠径(そけい)とは、太もももしくは、足のつけねの部分のことをいい、「ヘルニア」とは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。
立った時とかお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて柔らかいはれができますが、普通は指で押さえると引っ込みます。太ももや足のつけね(鼠径部)に何か出てくる感じがあり、それがお腹の中から腸が脱出してくるので「脱腸」と呼ばれています。次第に小腸などの臓器が出てくるので不快感や痛みを伴ってきます。
鼠径ヘルニア(脱腸)になりやすい人
鼠径ヘルニアは、乳幼児の場合はほとんど先天的なものですが、成人の場合は加齢により身体の組織が弱くなることが原因で、特に40代以上の男性に多く起こる傾向があります。
乳幼児でも中高年でも鼠径ヘルニア患者の80%以上が男性です。40代以上では、鼠径ヘルニアの発生に職業が関係していることが指摘されており、腹圧のかかる製造業や立ち仕事に従事する人に多く見られます。
!下記に当てはまる方も要注意!
・便秘症の人
・肥満の人
・前立腺肥大の人
・咳をよくする人
・妊娠している人
鼠径ヘルニアの治療
小児と成人では原因が違い、治療法も異なります。
小児の鼠径ヘルニアは自然に治るケースもありますが、成人の鼠径ヘルニアは加齢とともに下腹部から足の付け根(鼠径部)の組織が脆弱になり、その部分からおなかの中の脂肪や腸が腹膜の袋に入ったままに飛び出してくることによって起こります。
成人の鼠径ヘルニアはお薬で治すことはできず、治療には手術が必要となります。放置すると嵌頓(かんとん:飛び出した部分が元に戻らなくなること)になることがあり、緊急手術が必要になることもあります。嵌頓(かんとん)は鼠径ヘルニア患者全体の約5%程度に起こると考えられています。
スケジュールのよい時期を選び、早めの手術治療を受けましょう。
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急性胃炎とは
突然強い上腹部の痛みが始まり、周期的にしめつけるような痛みが何度も襲ってくる病気です。
胃透視や内視鏡で胃に特徴のある炎症所見が見られる病気で、痛みの性質が胆石や膵炎や腸閉塞とも違っていますので、経験の深い専門医であればすぐ診断をつけることができます。
急性胃炎は軽いものから次の3種類に大別されます。
①浮腫(ふしゅ)型
- 症状
- 胃の内面の粘膜が腫れ上がっているだけで粘膜のただれはありません。 主としてサバやあじ、いわし、イカの生などを食べた時に起こります。
- 対策
- 内視鏡で見て、胃の壁に刺入しているアニサキスという虫をつまんで取り出してやれば、すぐ治ります。
②出血性びらん型
- 症状
- 胃の粘膜が腫れ上がり、胃の出口に近い所に多発の出血びらんが地図状に拡がっています。
- びらんは1週間ぐらいであとかたを残さずに治ります。
③潰瘍形成(かいようけいせい)型
- 症状
- 最も重症のもので、発作のはじめは出血性びらんと似ていますが、更にひどく、治るまで1ヶ月かかります。
- この型は周期的な激痛と共に褐色またはコーヒー残渣様(ざんさよう)の多量の胃液を嘔吐することが特徴で、これが24時間続きます。
- しかし痛みは次第に軽くなり、ほぼ1週間ほどで軽快します。
治療について
最も大切なことは食事療法です。流動食から、うすいお粥、五分粥、七分粥、全粥と上げていき1週間ぐらいで普通食にもどします。
「出血性びらん型」と「潰瘍形成型」に対しては、抗潰瘍剤の点滴や内服が必要です。
当院は急性胃炎の研究では多くの業績を上げておりますので、最短の日数で治療する事が可能です。
突然胃が痛くなったら、急性胃炎かもしれません。ご来院ください。
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2014年8月4日
便秘について
便秘には色々な程度があり、
原因によって扱いが違います。
便秘の程度と種類によって、次のように分けて考えてみましょう。
①2〜3日に1度排便はするが、便が固く量が少ないという人
- 原因
- 食事の量が少なかったり、栄養のあるものばかりを食べていると、食事のほとんどが吸収され、便になるカスがあまりできません。
- このような人は便のでき方が少なく2〜3日分たまってやっと一人前の便の量になるといった人で、別に病気ではありませんが、あまりお腹の調子がいいとは言えません。
- 対策
- 野菜、特にニンジンやごぼうなどをよく食べるようにしましょう。
- きのこ、たけのこ、コンニャク、海藻類はほとんど吸収されることなく便になりますので、便の量を増やすのに有効です。
②2〜3日おきに便秘と下痢を繰り返す人
- 原因
- 2〜3日便秘したらあと下痢を 2〜3回し、そのあとはまた 2〜3日分の便がたまって来ると1回目は硬い便、あと軟便または下痢で 2〜3回行きその次の日からまた便秘します。
- この様なものを交替性便秘といいます。
- 対策
- 交替性便秘は生活習慣に起因します。まず毎日決められた時間に出ても出なくてもトイレへ行くようにしましょう。
- 便の量が増えるよう野菜を食べましょう。
③お年寄りの方で排便がなく放置していると1週間たっても出ないという人
- 原因
- もともと腸の動きがにぶっていため、便が出にくくなっています。
- 対策
- 充分野菜の多い食事を摂りましょう。
- なるべく運動して腸の動きを促進しましょう。
④脳障害で半身不随の人や、お年寄りで寝たきりの方で、石のように硬くなった便がたまって出ない人
- 対策
- 手で便の摘出をしてあげなくてはうまく便が出ません。 摘出の要領は素人には難しいので診察にお越しください。
- また、下剤を差し上げ、硬くならないうちにイチジク浣腸をしてあげるようにしましょう。
- 在宅療養をなさっている方にとっては一番苦労されることの一つです。お気軽にご相談ください。
⑤便秘で便が出にくいのに1日何回もトイレに行き、しかも少量の下痢便しか出ない人
- 原因
- たいてい下部大腸に癌(がん)や腫瘍(しゅよう)のできている人か、何らかの原因で大腸が狭くなっている人です。
- 対策
- すぐ厳重な大腸の検査を必要とします。まずはご来院ください。
便秘や下痢にお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。
患者様一人一人の症状や生活環境に合った治療をいたします。
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2014年7月22日
食中毒の予防について
梅雨も開け、暑い夏が本格的にはじまりました。
食中毒にご注意ください!
食中毒予防の3原則
- 食中毒菌をつけない
- 食中毒菌を殺す
- 食中毒菌をふやさない
食中毒予防の6つのポイント
【ポイント1】 買うとき |
生鮮食品は新鮮なものをよく選んで買いましょう。食料品は最後に買い、買ったら寄り道をせず、早めに持ち帰りましょう。 |
【ポイント2】 保存するとき |
持ち帰った生鮮食品は、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。庫内は詰めすぎないよう7割程度にしましょう。 |
【ポイント3】 下準備をするとき |
手をよく洗い、包丁、まな板、ふきん類は清潔にしておきましょう。ゴミは菌の温床となるので、まめに処分してください。 |
【ポイント4】 調理するとき |
加熱して食べる食品は十分に加熱しましょう。目安は中心部の温度が75℃以上で1分以上加熱してください。 |
【ポイント5】 食べるとき |
調理したらすぐに食べ、室温で長く放置しないようにしましょう。O-157は室温で15〜20分のうちに約2倍に増えます。 |
【ポイント6】 残ったとき |
清潔な食器で保存します。ちょっとでも怪しいと思ったら食べないで捨てる心がまえが大切です。 |
病原菌による主な症状
サルモネラ | サルモネラはねずみの糞に汚染された食品からの感染、あるいはサルモネラ菌をもつ鶏が生んだ卵からの感染がいわれていますが、2つの菌種は違うようです。 食中毒の原因として大変発生頻度の高いものです。食べてから12〜24時間くらいで吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などがみられます。 |
ぶどう球菌 | 調理人の指が化膿していたり、調理中にこの細菌と細菌の毒素が混じって、それを食べて起こるものです。 食べてから2〜3時間で激しい嘔吐と腹痛、水様下痢がみられます。 |
キャンピロバクター | 飲料水からの感染や、鶏の生肉を食べたり、火のよく通っていない焼鳥、または鶏を調理したまな板を充分洗わないで次のものを調理したために感染したりします。 下痢、発熱、腹痛、血性下痢、嘔吐などが起こります。 |
病原性大腸炎 | O-157という細菌で起こる事で有名です。 出血を伴った下痢、米のとぎ汁のような下痢が起こります。ひどくなると脳内出血して意識障害を起こし、死亡することもあります。 |
腸炎ビブリオ | 夏期の集団食中毒として代表的なものです。 出血性腸炎ビブリオとも言い、腹痛、嘔吐、発熱、下痢、血便などがみられます。海産物を生で食べて起こる事が多く、普通は食べて8〜24時間くらいで症状が出ます。 |
下痢が最も多い症状ですが、なかには危険な症状を起こすものもあります。
原因によって治療法も異なりますので、 下痢などでお困りの方は ご来院下さい。
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2014年7月7日
過敏性大腸症候群について
「1日に何度も排便しなければ気がすまない」
「授業や仕事の前に何回もトイレに行ってしまう」
それはもしかしたら『過敏性大腸症候群』かもしれません。
このような人は鉄道会社の運転手、バスの運転手あるいは学校の教師等に見られ、1度仕事に就くと一定の時間便所に行けないということが引き金になって、仕事に就く前に2度3度と便所に行くようになります。
すると、そのあと便意を誘発するようになって何回もするという事態が起こります。
治療について
- 強い下痢止めを差し上げるのは好ましくなく、むしろ鎮痙剤(ちんけいざい)を用いたり、便の水っぽさを防ぎ次の便意を誘発しないようにします。
- もう1つ大切な事は、2度目排便したくなってもちょっと我慢をするように指導しています。すると、たいていの場合15分ほどで便意はおさまり、以後あまり行きたくはならないようです。
患者様の生活習慣を正確に聞き出し、その人の生活に合うように改善してあげることが大切です。
患者様によって症状や治療法が異なります。
1人で悩まず、まずはお気軽にご来院ください。
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